宝石珊瑚の保護活動について

宝石珊瑚は木の枝のようにも見えますが実は立派な動物なのです。
しかし人が潜ることができない深海に生息しているため繁殖の様子や
その後どの様に成長していくかは未だ謎が多いとされています。

その海の深さゆえに謎の多い宝石珊瑚を保護していくことも
私たちの使命であると思っています。(宝石珊瑚保護育成協議会に所属し活動しております)


 

きびしい規制

宝石珊瑚の漁は、きびしい規制のもと、許可された漁師さんだけが行えます。
あえて昔ながらの潮の流れに任せるだけ網漁や、産卵期に合わせた禁漁期間や操業時間、また禁漁海域を設けるなど、珊瑚が育つ環境を整えています。


 

枯れ木(折れた珊瑚の原木)を使う

珊瑚漁で獲れる物の多くは、実は生きている珊瑚ではなく、枯れや虫珊瑚といった生きてない珊瑚です。海底の環境変化に伴い、欠けたり折れてしまったものが珊瑚網にかかり地上に引き上げられるのです。
ちなみに、近年行われた年代測定では、古い枯れ虫珊瑚の中から7000年以上も前の物があり、大変驚かれました。
本来であればそのまま海の土へと還ってしまう珊瑚ですが、職人さんの手で美しいジュエリーになるとは、まさに宝石珊瑚は海からの贈り物とも言えますね。


 

養殖、増殖事業の開始

水槽での飼育を試していますが、海底の環境は繊細で水槽での完全な再現は難しいようです。
それでも少しずつ研究が進んでおり、最近では取れたての小さな珊瑚の枝を、カキの貝殻が詰まったカゴの周りに固定し海に戻す方法で結果が出てきています。
宝石珊瑚の成長には時間がかかるので収穫には時間がかかりますが、次の世代に日本の綺麗な宝物を残せたら素敵ですね。