世界中で昔から愛されてきた宝石珊瑚


珊瑚発祥の地は地中海であり、その歴史は2万年以上遡ることができます。
ドイツの旧石器時代、約25,000年前の遺跡から地中海の宝石サンゴ「Corallium rubrum」を加工した玉が出土したという記録があり、ギリシャ、ローマ時代にも壁画や花瓶の装飾としてサンゴ樹が描かれたり、宝飾品としても数多く利用されてきました。
また、サンゴの赤い色はギリシャ神話では「ペルセウス」と「メデューサ」の戦いで、メデューサの血が海草に触れたとたん海草はサンゴに姿を変えたといわれ、キリスト教では十字架に架けられたイエス・キリストが流した血の色と考えられていました。

このような言い伝えから、サンゴは悪を包み込み、大地に豊かな実りを与えるとされ、結果的に魔除けとして扱われるようになります。

現在でもイタリアでは年末年始に赤い物を身に着けると、一年間無病息災、健康で居られるとして、地中海サンゴもしくは、赤サンゴが用いられます。
フランス王室では、出産時に赤いサンゴのネックレスを身に着けることから、新たな生命誕生の象徴、安産祈願として利用されています。
スコットランドには、「サンゴは少女に美と繁栄をもたらす」という言い伝えがあり、イギリスのエリザベス2世は生後9ヶ月のときにピンクのサンゴのネックレスを贈られています。
チベット地方でも魔除けとして「山サンゴ」、サンゴが化石化したものを仏具や装身具として利用しています。
サンゴは世界中で昔からお守りとして扱われているのです。